賃貸マンションにAEDの設置はありますか?
AED設置に義務はありません。
AEDは消火器のような、法律による設置義務はありません。ただし自治体等により、救急条例を設けて特定の対象となる施設にはAEDの設置を義務付けている自治体もあります。
また、法律に設置義務はないものの、日本救急医療財団の「AEDの適正設置に関するガイドライン(PDF)」にて、設置が望ましいとされる場所や施設は具体的に挙げられています。その対象とは以下の通りです。
- 駅・空港・長距離バスターミナル・高速道路サービスエリア・道の駅
- 旅客機、長距離列車・長距離旅客船等の長距離輸送機関
- スポーツジムおよびスポーツ関連施設
- デパート・スーパーマーケット・飲食店などを含む大規模な商業施設
- 多数集客施設
- 市役所、公民館、市民会館等の比較的規模の大きな公共施設
- 交番、消防署等の人口密集地域にある公共施設
- 高齢者のための介護・福祉施設
- 学校(幼稚園、小学校 、中学校、高等学校、大学、専門学校等)
- 会社、工場、作業場
- 遊興施設
- 大規模なホテル・コンベンションセンター
- その他(民間救急、救急隊や医療の提供までに時間を要する島しょ部および山間部など)
その上で、賃貸マンションに設置すべきか?
- 分譲マンションにあって、賃貸マンションに無い・少ない理由は、費用です。
分譲マンションには、管理費という費用の捻出及び住人の高齢化等に理由により設置されている事が多いからです。また、各住人が相手・ご自身に対して万が一の際に必要だかもしれない・マンションの管理会社も住民の意見を取り入れる形の為です。
賃貸マンションには、共益費という項目はありますが、住人としては、設置してもらった方が、利点があるので希望しますが、問題は、大家様(貸主)です。
大家様(貸主)は、所有目的が、「賃貸収益」を主としているため、極力出費を抑えたい運営をされている方もいらっしゃいます。
2番目に、1番目にも関係していますが、ご契約してもらうように、リフォーム等を行い入居者を入れたい思いがあります。
ここまでは、皆様は同じ考えかと思いますが、3番目の考えを持たれている方は少ないかと思います。
3番目に住居環境の向上(室内の設備等をリフォームで新しく・綺麗にすることではない。また、入居者様より話があり改装等をすることではない)を掲げている大家様(貸主)は少ないかと思います。 - では、賃貸マンションにはAEDを設置すべきか、私見を述べさせて頂きます。
心臓突然死の約7割は自宅で発生する統計例・救急車の到着時間は全国平均 9.4分(総務省消防庁による『令和四年版 救急救助の現況』年々到着が遅れている)の為、AEDが必要となる心室細動などの心停止の場合、何もしなければ1分経過する事に蘇生のチャンスは7%~10%低下します。そのあと救急隊によるAEDの電気ショックが行えるのはさらにその数分後。やはり救急隊の到着をただ待っているだけでは間に合いません。
AEDの適正配置に関するガイドラインでは、「心停止発生から長くても5分以内にAEDによる処置が可能な場所」への設置が望ましいとされています。
さらに「人目に付きやすい誰でもすぐにわかる場所」、「施錠されておらず誰でも取りに行ける場所」などが基本となります。
つまり、AEDのない所に住まわれている方は、場合により間に合わない可能性が大となります。また、今後、高齢者が多くなる人口比率ですので、そういった事案が増えるかもしれません。設置したから言い訳ではなく、使い方も覚えてもらう必要があります。
分譲マンションでは、防災訓練という活動内にて触れる機会があるので、多少はいいのですが、賃貸マンションの場合は、それが無いため、この点をどう改善すべきかも問題となります。(はじめは、案内パンフレットの周知及び消防署等で行われる救急講習を受講して頂き、受講証を取得頂いた代わりに家賃の減額等サービス提供をする、救急の方に電話で聞きながら行う形がいいのではないでしょうか。)
ですが、あるのと無いのでは、初めのスタートが違いますので、費用の捻出等課題がありますが、この点を考慮し、所有の賃貸マンションの価値を上げて、入居率の向上を考えるのも良いかと思います。
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