賃貸物件の経営には、空室対策がとても重要ですが、空室対策は大きく二種類に分けられます。
それは、
- 空室を生まないこと
- 空室が発生したらすぐに次の入居者を見つけること。
長く住んでもらう、すぐに空室を埋める、どちらも解決するには入居者が求めている設備が物件に備わっていることが重要なポイントです。
コロナ禍でテレワークが増加したことや、郊外物件の需要が増えたことなど、時代によって入居者が求めている条件も少しずつ変遷してきています。
現在、どのような設備が入居者に求められているのでしょうか。
今回は、全国賃貸住宅新聞から発表された「入居者に人気の設備ランキング2023」(全国の不動産会社512社がアンケートに回答)をもとに、単身者向けとファミリー向けに分けて、入居者のニーズがどのように変わっているのか見ていきましょう!
この設備がなければ入居が決まらない!【必須編】
必須編の一位は、単身者向け・ファミリー向けともに「エアコン」という結果でした。
あって当たり前、という設備にあげられがちなエアコンですが、2023年の猛暑を経験したこともあり北海道などの地域でも必須の設備となったことが一位の要因とも言えそうです。
エアコンの製造年月日や性能を確認する入居者も多く、古くなったエアコンは入居者の入れ替わりのタイミングで交換することができれば、短期空室解消につながるかもしれません。
二位・三位は順位は違えど、「TVモニター付きインターホン」「室内洗濯機置き場」が選ばれました。
どちらの設備も単身者向けであってもファミリー向けであっても、前回順位同様、なくてはならない設備であることが伺えます。
TVモニター式インターホンについては、電池式の商品もあるため、大きな電気工事がなくても取付が可能です。(インターホンからTVモニター付きに変える場合は、電気工事免許が必要なので専門家に任せましょう。)
特に女性の一人暮らしなど、セキュリティーを重視される方も多く、入居希望者を逃さないためにも設置を検討されることをおすすめします。
室内洗濯機置き場も、入居者の中ではあって当たり前と思われがちですが、洗濯機置き場がベランダにある物件などまだまだたくさんあります。
「室内に洗濯機置き場を作りたい」と思われる大家さんもいらっしゃると思います。設置に関して給水と排水の場所の問題があるので、その点も考慮して検討しましょう。
必須設備の中でも、大掛かりな工事が必要な物もあれば、数万円で設置ができる設備もあります。
ランキングを参考に設置を検討してみてはいかがでしょうか?空室対策バッチリのお部屋に大変身するかもしれません。
この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる【付加価値編】
付加価値編では、単身者向け・ファミリー向けどちらも、「インターネット無料」が一位となりました。
単身者向けでは9年連続、ファミリー向けでは8年連続と長く首位を独占しています。
それだけあると嬉しい設備として普及してきているインターネット無料物件。
家賃5,000円アップしても入居が決まったという事例もあるようで、設置の手間やコストと比較してもメリットがあるかもしれません。
テレワークや動画のサブスクリプションサービスなどの普及によって、家庭のネット環境は必須となっています。
インターネット無料の条件は、ライバル物件との差別化に大きくつながるでしょう。
次に単身向け、ファミリー向けどちらにおいても、常に上位を占める設備「宅配ボックス」です。
2022年の総務庁の調査によると、2人以上の世帯でインターネットショッピングを利用する世帯は全世帯のうち52.7%だったそうです。
10年前が2割弱だったことを考えるとこの10年で倍以上に増えたことになります。
そんな中で、2024年問題といわれる、宅配業界の大問題が間近に迫ってきています。
2024年4月から働き方改革で、自動車運転業務の時間外労働に上限が設けられ、宅配業者の輸送能力が大幅に減ると言われています。
そのような状況で、再配達の有料化なども議論されており、注文した商品をいち早く受け取ることのできる宅配ボックスはこれからますます需要が高まる設備だと思われます。
他にも注目すべきは、単身者向け・ファミリー向けどちらからも前年の圏外からランクインした「ウォークインクローゼット」。
今では新築物件にはほとんど備わっている人気の設備なこともあり、賃貸物件にも需要が広がってきているようです。
ウォークインクローゼットとは、人が中に入って歩くスペースがある収納のこと。
通常のクローゼットよりも奥行きがあり、衣類以外にも大きなスーツケースや日用品のストックなどを収納することもできるため、お部屋をすっきり見せることができます。
間取りによっては、リフォームによってクローゼットをウォークインクローゼットに変更することも可能です。
ウォークインクローゼットを作るほどのスペースがなくても、既存の収納を有効活用して、カウンタースペースやパントリーへのリフォームなど、様々な活用方法もございます。
付加価値編では、大幅家賃アップを狙えるものも少なくありません。
設置コストとのバランスを見ながら、取り入れられるものを検討してみるのも良いかもしれませんね。
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